「上級管理職の報酬がついに減少に転じた」――。米Wall Street Journal傘下の米CareerJournal.comと米Economic Research Institute(ERI)が米国企業における上級管理職の報酬について調査した結果を米国時間9月26日,明らかにした。

 それによると,2年前に前年比15.7%増と好調だった上級管理職の報酬額伸び率は,2000年以降,急激に低下しているという。例えば,2001年に前年比2.1%増と大きく下がり,これが2002年第1四半期には前期比1.5%増に,2002年第2四半期にはついに,前期比1.9%減と減少に転じてしまった。

 しかし両社によれば,上級管理職の報酬は確かに減少しているものの,企業の売上高の減少率ほどには落ち込んでいないのだという。「2002年第2四半期における上級管理職の報酬額の減少率は1.9%。しかし企業の売上高のそれは2.1%」(両社)

 この調査では「Executive Cash Compensation Index」と呼ぶ独自の指標を用いている。過去12カ月における上級管理職の現金報酬(サラリーとボーナスの合計)を四半期ごとにまとめたものである。調査対象は米国の45社の大手企業。調査を1997年に始めたことからこの年の値を基準値「100」としている。ちなみに2002年1月1日の値は167.6,2002年8月2日時点では166.8となっている。

 なお調査対象企業のなかで,2002年第2四半期において,最も高い報酬を得たのは米Apple ComputerのCEOであるSteven Jobs氏だったという。「Jobs氏はサラリーは得ていない。しかし4351万1534ドルのボーナスがあった」(両社)

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