米Microsoftと米AT&T Wirelessが,企業向け総合無線データ・サービスの導入支援を目的とする戦略的提携を結んだ。両社が米国時間7月31日に明らかにしたもの。「北米企業の従業員に,外出先などから重要な企業データにアクセスできる手段を提供する」(両社)

 企業向け無線データ・サービスが必要な理由について,Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏は「今日の労働者は,オフィスの外で仕事をすることが多い。そのため,いつでもどこでも,どのような機器からでも,情報にアクセスできなければならない」と説明する。「この提携はモバイル・ワーカーや企業のメリットになるだけでない。これによって開発者はすぐに,高機能な機器,高速無線ネットワーク,.NET技術が,将来の改革に向けた強力なビルディング・ブロックであることに気付くだろう」(同氏)

 この提携により両社は,ソリューション開発,販売および加入者管理,マーケティングを共同で行う。

 両社はすでにMicrosoft Windows対応のPocket PCやスマートフォン,ノート・パソコン向けのエンドツーエンド・ソリューションを開発しており,今後提供していくという。このソリューションを使うことで,企業のファイアウオールを越えて電子メールや情報,アプリケーションへの無線アクセスが可能になる。

 「すでに両社は数カ月間共同で作業を行い,製品開発の終盤に差し掛かっている」(両社)。現在顧客がソリューションを試用しており,「Microsoft Pocket PC Phone Edition」ソフトウエアに対応する最初のサービスと機器を2002年第4四半期にリリースする計画という。同ソフトウエアはPocket PCの新製品で,PDAの長所と無線音声/データ機能を組み合わせている。

 またAT&T Wireless社はこの提携の一環として,2002年後半にMicrosoft Pocket PC Phone Editionベースの音声対応PDAをリリースする予定である。同社は,「Microsoft Windows Powered Smartphone 2002」対応スマートフォンの発売も予定している。

 さらにAT&T Wireless社は,ノート・パソコンやPocket PCから利用可能なMicrosoft .NETベースの位置情報サービスを提供するという。同サービスは「MapPoint .NET」と「.NET Compact Framework」を使用するもので,「当社はサービス提供を発表した初めて無線通信事業者である」(同社)

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