米Symantecがネットワーク・クライアントとリモート・ユーザー向け統合セキュリティ・ソリューションを発表

和田英一

2002.07.30

　米Symantec社はネットワーク・クライアントとリモート・ユーザー用統合セキュリティ・ソリューション「Symantec Client Security」を米国時間7月29日に発表した。同製品は，アンチウイルス，パーソナル・ファイヤウォール，侵入検知技術を単一のソリューションに統合して，今日の複合型攻撃からデスクトップを保護するもの。

　同製品は，「Symantec Enterprise Security」の主要コンポーネント。複数技術が中央から一括管理できるため，IT管理者はTCO（Total Cost of Ownership）の削減ができるとともに，ネットワーク・クライアントのセキュリティを増強できる。ウイルス定義，ファイヤウォール・ルール，侵入検知署名をまとめて1度にアップデートする同製品のメカニズムにより，複合型の攻撃が発生した場合の対応時間を短縮できるという。

　「セキュリティの境界線は急速に消えつつあるため，しばしばクライアント側の防備が十分に行われていないことが要因となって，悪意を持つコードが電子メール，インターネットのブラウジング，ファイル共有を介して急速に広まっている。同製品は，ネットワーク上で増加するデスクトップとラップトップの配備と管理をより効果的に行いたい企業にとって理想的なソリューションである」（同社執行副社長のGail Hamilton氏）。

　同製品は，IT管理者に中央からからソリューションの設定，配備，ポリシー管理，レポート機能を提供する。また管理時間を短縮するために，管理者は用意された3種類のパッケージ・インストレーションのひとつを使って容易に同製品の配備ができるとともに，企業全体を通してポリシーをロックする機能を提供するため，ユーザーによるクライアント設定が防止できる。ポリシーのカスタマイズは，ユーザー・グループ（部門，ロケーションなど）をベースとして可能となっている。

　同製品は，KlezやCode Redなどの複合型攻撃に対して事前に対処するアプローチを提供する。たとえば，ファイヤウォールが怪しい内向けまたは外向けのファイルに出くわすと，リアルタイムのアンチウイルス・プロテクションの有効，無効に関わらずアンチウイルス・スキャニング・エンジンを呼び出す。スキャンによりファイルが感染していると判断された場合，アンチウイルス・エンジンは，このファイルがインターネットにアクセスできないように，またこのファイルがクライアントに届くのをブロックするように，ファイヤウォールにスレット・レベルを上げるように指示する。

　「Symantec Client Security」は，同社の付加価値再販業者，ディストリビュータ，システム・インテグレータを通じて8月に出荷される予定。