「VoIP(Voice over Internet Protocol)技術は,企業バイヤーが将来の電話システムはIPベースになると認識するまでに成熟した」。米Allied Business Intelligence(ABI)が,企業とVoIP技術に関する調査結果を米国時間7月11日に発表した。

 同社によれば,企業は,近い将来に衰退する可能性がある回線交換技術に対する投資に慎重になっており,構内電話とホストIP-PBXが徐々に採用されるアプリケーションになるという。

 しかしABIは,短期的なIP-PBXの需要が,これらが提供する高度な技術に対するものではなく,新しい電話システムまたは電話システムの拡張に対する企業の需要によってけん引されるとみている。また2003年までに何らかのIPベース・システムが企業PBXシートの50%を越えるという予測も明らかにした。

 「この先数年,企業がレガシー・システムに新しいIPベースの機能を加えるため,引き続きIP対応の混成システムが良好となる。より多くの企業と大規模企業がIP中心の電話システムを配備するため,2005年からすべてのIP PBXの販売が跳ねあがる」(同社シニアコンサルティング・アナリストのJulia Mermelstein氏)。

 また,同社は2001年の経済状況により成長が抑制されたが,IP-PBXシートの出荷は2001年の190万シートから2007年には420万シートに成長すると予測している。

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