「2002年第1四半期におけるルーターの売上高はおよそ28%減の16億8600万ドルに落ち込んだが,ポート密度は25%増加しており,企業とサービス・プロバイダの両方で設備投資が削減されていることが市場に大きく影響を与えている」。米Synergy Research Group(SRG)が米国時間6月13日に,世界市場に関する調査結果を発表した。

 同社によれば,企業が経営コストの低下とキャッシュフローの改善を狙っていることが原因となり,ポート密度が増加している。この傾向が,主にローエンド,ミッドレンジ,エンタプライズ・ハイエンド向けルーターにみられるという。

 しかし,サービス・プロバイダのハイエンド部門では,まったく反対の現象が起きており,ポート密度は減少している。

 「ポート密度は減少しているが,OC-192とT1対応ルーターの出荷は増加している。これは,サービス・プロバイダが設備投資は制限しているが,帯域幅に対する要求は増加し続けていることを示している」(同社主任リサーチ・オフィサのRay Mota氏)。

 ハイエンド製品には設備投資がかかるが収益を生む率も高い。そのため,同部門では多様性があるサービスの提供が優位に立つ要因となり,特にサービス・プロバイダ・エッジに関しては,これが当てはまる。

 同部門では,IPエッジ・ルーティング,IPサービス,ブロードバンド集約機能を統合する整理期間に入っている。そのため,同市場におけるシェアが前四半期から変化している。CiscoとUnisphereの優位に変わりはないが,それぞれシェアを5ポイントと1ポイント下げている。3カ月でRedbackは5位から3位に上昇しており,Nortelはシェアを3ポイント以上落とした。

■世界のサービス・プロバイダのエッジ市場におけるシェア
                     2002年第1四半期       2001年第4四半期4Q01

Cisco                       65.2%              60.6%
Unisphere                   11.6%              12.2%
Redback                      9.1%               7.1%
Juniper                      5.5%               7.1%
Nortel                       4.7%               8.0%

出典:DoubleClick社

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