「2001年第4四半期に,米Cisco Systemsが通信機器の売上高合計で,米Lucent Technologies,カナダのNortel Networks,独Siemensをごぼう抜きして3位に立った」。米Synergy Research Group(SRG)が米国時間4月1日に,通信機器の世界市場に関する調査結果を発表した。

 Cisco社はかつてないほど1位の座に近づいている。3位のCisco社と2位のフランスAlcatelは,1位との市場シェアの差が3ポイント未満という僅差である。

 SRG社によると,通信業界の成長は短期的に停滞するものの,2002年後半の見通しは明るいという。2002年の企業向け通信機器市場は,昨年の28%減に対して,3%減にとどまる見込みだ。

 一方,サービス・プロバイダ向け市場の苦境は今後も続き,2002年は14%減少する。2001年は24%落ち込んだ。

 SRG社創立者兼主席アナリストのJeremy Duke氏は,「業界の成長のカギを握るのは,企業のIT支出とサービス・プロバイダの資本支出である。企業によるIT支出の増加は,企業収益の回復にかかっており,企業収益の回復は米国の国内総生産の活性化に依存している」と説明した。また2002年のサービス・プロバイダ向け市場については「キャリアが抱える膨大な負債と,マクロ経済学的な景気の弱含みが災いして,資本支出の大幅な増加は望めないだろう」と予測した。

 SRG社によると,2001年第4四半期にプラス成長をみせたのは,無線LAN市場と企業向けIPテレフォニ(IP対応型PBX)の2市場だけだった。

■通信機器世界市場における市場シェア

             2001第4四半期       2001年

Ericsson       13.7%             11.9%
Alcatel        12.8%             11.8%
Cisco          11.0%             10.1%
Siemens        10.7%              9.9%
Nortel          9.1%             11.2%
Lucent          9.0%              9.1%

出典:SRG社

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