「世界で500億ドル規模の情報ストレージ市場に向けて,ネットワーク・ストレージ製品をミッドレンジとロウエンドの市場にも拡張する」。ハイエンドのストレージ・デバイスの大手米EMCが米国時間6月6日に,同社ネットワーク・ストレージのビジョンと同年第2四半期の見通しを発表した。
業界アナリストによれば,2005年までに情報ストレージのおよそ80%がネットワーク化されたストレージになるという。同社は,ストレージ管理ソフトウエアのオープン・ソフトウエア戦略とハイエンドのストレージ・プラットフォームから顧客向けエントリ・レベルの統合型ストレージ・アプライアンスまで,ストレージ製品の拡張を図り,自動ネットワーク・ストレージを促進を狙う。
ストレージ・プラットフォーム戦略において,「EMC Symmetrix」,「EMC Celerra」,「EMC CLARiiON」を上位と下位プラットフォームに移植させることを予定している。製品ライン間の機能移植の効率化を図り,共通の設計,コンポーネント,ソフトウエアを組み込む。また,ストレージのミッドティアとローエンド市場に向けて,同社はDell社のようなパートナとの提携をさらに強化していくという。
小規模企業向けストレージ・システムは,統合型ストレージ・アプライアンスとして提供する。Windowsオペレーティング・システムを搭載し,SANデバイスとNASデバイス,バックアップ・デバイスとしての機能を提供する。
ミッドレンジ市場に向けた製品は,モジューラ型のストレージ・アーキテクチャで構成され,ユーザーは複数のストレージ機能の追加や削除が可能となる。
オープン・ソフトウエア戦略としては,「AutoIS(Automated Information Storage)」ソフトウエアの基盤を拡張する。
また,同四半期の業績に関して同社は,アナリストが分析する通り1株当たりの損失が0.02ドルになると予測している。
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