「卒業式,結婚式,夏休みシーズンが近づくにつれ,デジカメとデジタル・カムコーダの売り上げが上昇している」。米NPD GroupのNPDTechworldが米国時間5月9日に,デジタル・カメラとデジタル・カムコーダの売り上げに関する調査結果を発表した。

 同社の調査によれば,2002年第1四半期における両製品部門の売り上げ台数は,前年同期より24.5%増加している。

 2001年と2000年の第1四半期におけるデジカメの売り上げ台数は,それぞれ95万8000台と57万8000台だったが,2001年同期の売り上げ台数は122万9000台に増加している。デジタル・カムコーダの同年同期の売り上げ台数は21万5000台で,2001年と2000年にはそれぞれ20万2000台と12万9000台だった。

 同社は,両製品の販売台数の伸びは,統一小売価格が低くなったことが要因と分析している。2002年は,前年から12%増の1000万台のデジカメとカムコーダの売り上げが予測されるという。

 デジタル・カムコーダの平均販売価格は,前年3月の803ドルが2002年3月には710ドルに低下している。同期間におけるデジタル・カメラの平均販売価格は,425ドルが385ドルに低下している。

 また,売り上げが増加しているもう1つの要因として,販売価格の低下に加えて,テレビやPCなどの他の家庭製品と合わせて容易に使えることを挙げている。

 ユーザーがデジタル写真を他の電子デバイスに取り込むためのデジタル・メディアの売上も急増しており,2002年第1四半期におけるメモリー・カードの売上高は,前年同期から150%増の150万ドルだった。

 「デジカメとデジタル・カムコーダは,家庭にある技術製品の周辺機器となっている。電子フォト・アルバムは,もはやスクリーン・セーバーの役割を果たすだけではない。デジタル写真は,デスクトップ・フレーム,PDA,携帯電話のディスプレイに表示させることもできるようになっている」(同社)。

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