米AT&Tが米国時間2月11日に,全米に新しいインテリジェント光ネットワークを配備することを発表した。この新しい光ネットワークは,全米40都市以上に配備されており,すでに実用段階に入っている。障害発生時にサービスの復旧までの時間を短縮し,ネットワークに直接アクセスできる企業ユーザーが実際に使用できるまでの期間を大幅に短縮しているという。

 複数ベンダの技術により可能になったこの次世代ネットワークは,インテリジェントな光スイッチと個人向け回線,インターネット,音声,データ,ビデオのトラフィック向けマルチサービス・プラットフォームを提供している。

 このインテリジェント光ネットワークは,障害があった場合にサービスの復旧時間を大幅に短縮している。利用可能なすべてのルートの包括的なマップをそれぞれのスイッチが持っており,障害が発生した場合にスイッチが自動的にトラフィックを有効なルートに割り当てられるため可能になった。リアルタイムのシグナル機能とルーティング・アルゴリズムを使うことにより,手動の介入の必要なく判断が下される。

 同ネットワークは,2つの技術を基に構成される。ひとつはインテリジェント光スイッチ「CIENA CoreDirector」である。このスイッチは,回線の両端からのポイント&クリックで45M~10Gビット/秒までさまざまなビット伝送速度でサービスを開始できる。さらにファイバの切断などが発生した場合に,自動的にトラフィックをルーティングすることで回線を復旧できる。スイッチは全米40カ所以上に配備されている。

 もうひとつの技術は,マルチ・サービス・プラットフォーム(MSP)。これは,「Cisco ONS 15454 SONET Multiservice Platform」を採用している。MSP機能により,低いトラフィックを高速(OC-48およびOC-192)パイプに集結させ,インテリジェント光スイッチによってネットワークのルーチングを行う。

 同社は現在,米国内に6万3500マイルの光ファイバ・ケーブルを配備しており,そのうち4万6500マイルは長距離トラフィック,1万7000マイルはローカル・サービス向けとなっている。

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