米IBMと,米First Data社の子会社である米eONE Global社が,企業と政府市場向けに包括的な電子決済ソリューションを提供することで戦略提携関係に入ったことを米国時間1月31日に発表した。支払いに関する企業のコスト削減とシームレスなトランザクションを通じてビジネス・プロセスの合理化支援を狙う。
IBMとeONE Global社の傘下にあるSurePayとgovONE Solutionsが提供するソリューションは,経費削減とバックオフィスの最適化などの効果以外に,危機管理の改善,資産流動の促進,トランザクション実行の速度と正確性の改善,決済とトランザクションの状態に関するデータへのアクセスなどの機能を提供する。
今回の提携により,両社は共同で電子決済製品とサービスを提供する。IBMは,SurePayのビジネス決済サービスを企業,金融機関,B2B市場に向けて,販売およびマーケティングを行う。またgovONE Solutionsのサービスを金融サービス市場と政府関連団体向けてマーケティングを行う。SurePayとgovONE Solutionsは,IBM Global Services (IGS) Business Innovation Services (BIS)によって提供される統合サービスを顧客に販売し,サービス提供にIBMの技術を活用する。
現在,多くの企業が掛売金,売掛金のオンライン決済に対応していないため,手動で支払いと関連データを調整しなければならない。SurePayの決済サービスでは,ePaymentの範囲を超えて小切手の処理を含めすべてのタイプの支払いを処理する。First Data CorpのISP部門との提携によるこのサービスを通じて提供される新しい機能により,バイヤーとサプライヤに包括的な報告とすべての支払いに関する送金情報を届けられる。
企業はこれまで,統合された支払いシステムがなかったため,インターネットを法人税の申告に使うことを避けてきた。今回の提携によって誕生するサービス,ソフトウエア,ハードウエアの電子決済インフラは,企業が信頼できる金融機関によって保証された関連データを伴った決済を,オンラインで安全に実現させるのを支援する。govONE Solutionsは既に年間およそ1兆ドルに該当する4000万回を超える支払いに使われている。
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