米ESP Consultingが米国時間1月21日に,オンラインの電子商取引における個人間(person-to-person)の支払方法に関する調査結果を発表した。オンラインではクレジット・カードによる支払いが圧倒的に多いが,オンライン送金サービスが普及しつつあり,とりわけオークション・サイトの常連ユーザーによる利用が増加傾向にある。

 調査はオンライン・ショッピングを行う3000世帯を対象に実施したもの。回答者の46%はおもに小売りサイトで購入を行っているが,54%はオークション・サイトを利用して頻繁に物品の売買を行っている。

 オークション・サイトで初めて商品を購入した際に,オンライン送金サービスを利用したという回答者はわずか14%だった。しかし最近オークション・サイトで行った購入では,37%がオンライン送金サービスを利用している。一方,最初の購入で小切手か送金為替を利用した回答者は50%だが,最近の購入では29%だった。オークション・サイトの利用回数が増えるにつれ小切手および送金為替を使った支払いは減少している。

 小売りサイトのユーザーで,最近の購入で「クレジット・カード」を利用した回答者は73%。「デビット・カード」を利用した回答者は18%。「オンライン送金サービス」を利用した回答者はわずか1%だった。

 「小売りサイトのユーザーは,明らかにカード志向だ。デビット・カードに対する関心も増加しており,オフラインの小売りとは対照的に,デビットカード利用者は小切手利用者の3倍に達している。またオンラインで商品を購入するユーザーで,小切手か為替送金を利用するユーザーはわずか7%に過ぎない」(ESP社社長のLeon Majors氏)

 オークション・サイトのユーザーは,物品売買の頻度が高いほど,オンライン送金サービスを利用する傾向が高い。オークション・サイトのユーザーで「オンラインで支払いを行う方法では,オンライン送金サービスを好む」と回答した割合は3分の1にのぼった。過去6カ月間に商品を4~10点購入したユーザーではこの数値が56%にのぼり,11点以上購入したユーザーでは66%に達した。

 オークション・サイトのユーザーが,オンライン送金サービスを好む第一の理由は「利便性」(30%)と「スピード」(26%)である。オンライン送金サービスとクレジット・カードを比較した場合,処理にかかるスピードは同じだが,カード番号などの情報を入力する手間が省けるのが人気の理由だ。次いで「セキュリティ」が15%。

 オークション・サイトでは,売り手が支払い方法を決定する。最初のオークション販売でオンライン送金サービスを支払い方法として認めたユーザーが29%だったのに対して,最近オークションにかけた商品では,その数値が68%に増加している。Majors氏は,「売り手の経験や販売回数が増えるにつれ,オンライン送金サービスの利用が増えている」と説明した。

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