米J.D. Edwardsが米国時間12月18日に,同社の協調的なCRMソリューションの最新版「CRM version 1.1」を発表した。同社のXPI(eXtended Process Integration)技術を使って顧客が接するアプリケーションにOneWorldとWorldSoftwareの両方を統合する。統合されたリリースは,CRMサプライヤのYOUcentricの買収手続きが完了してから1カ月以内に行われる。

 「CRM version 1.1」は,顧客へのサービス提供における統合とコラボレーションの重要性を強調しており,同社のERPアプリケーションとのリアルタイムの統合を通じて,顧客のニーズを知り,それを満たすための機能を提供する。

 最新のCRMソリューションでは,見込み客,見積もり,注文受付,配達,請求を含めたすべての顧客とのインタラクションを処理するためのビジネス・プロセスを作成する。たとえば,次のようなプロセスが考えられる。

・セールス・フォース・オートメション・アプリケーションにより,販売員は,マーケティング部門が作成した製品案内にアクセスでき,これを見込み顧客に送れる。

・見込み客が,見積もりを求めた場合,販売員はJ.D. Edwards Advanced Pricingを使って情報を提供できる。

・見込み客が注文をするときに,販売員は在庫を調べ,Fulfillment Managementアプリケーションを使いCRMシステム内に格納された見込み客データに即時にアクセスして見積もりを注文に変換できる。

・顧客は,WWWベースのCustomer Self-Serviceアプリケーションを使って,インターネット・ブラウザから自分の注文を追跡できる。

 従来,このようなプロセスはそれぞれのCRMとエンタープライズ・ソフトウエア・アプリケーションに分割されており,異なるデータ・レポジトリを必要としていた。同社のCRMアプリケーションは,ERPアプリケーションとまったく同じデータを共有するため,すべてのユーザーが同一の情報を元に作業が行える。そのため,間違いが発生する割合が減り,所有コストを抑えられる。

 同社は,CRMと企業が使用するERPアプリケーション間のビジネス機能をシームレスにつなぐために,同社のXPIとデーター・モデル・インヘリタンス機能を使っている。企業はこれら双方の技術を利用して協調的なCRMソリューションをこれまで使ってきたデータ・ソースに迅速かつ効率的につなげることができる。

 なお,同社は2002年にCRMに同社のAdvanced OrderConfiguratorとAdvanced Planningを統合させることを予定している。

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