米IDCが米国時間9月20日に,情報セキュリティ・サービスの世界市場に関して調査した結果を発表した。それによると,市場は2000年に約67億ドル規模に達しており,2005年末には3倍以上の210億ドル規模に拡大するという。この間の年平均成長率は25.5%である。
「無線LAN,インターネット/エクストラネット,無線接続サービスを望む企業が増えるとともに,先進の情報セキュリティ・サービスの必要性も高まる。スキルのあるサード・パーティと手を組み,カスタム化したセキュリティ戦略の開発に取り組もうとする企業が市場の成長を押し上げる」(IDC,Information Security Services調査プログラム部門上級アナリストのAllan Carey氏)。
金融向けサービス分野が,引き続き情報セキュリティ・サービス市場の最大シェアを占める。金融向けサービス分野の売上高は,2000年の8億4800万ドルから,2005年には約22億ドルに成長する。
地域別では,アジア太平洋,中南米,西欧が大きく伸びるとみる。今後5年間に最も急速に成長する地域はアジア太平洋で,年平均成長率は29.8%。中国でのインターネット・カフェの増加をはじめ,地域全体におけるWWW対応無線機器の普及により,インターネットの導入が進むためである。この地域では,技術的問題だけでなく,規制や文化的な課題を克服した企業が成功をつかむことができる。
2000年は最も売り上げが低かった小規模企業(従業員が100~999人)向け分野も,2005年まで急速な成長を遂げる。小規模企業がネットワークの高速化を進め,電子商取引から無線といったさまざまなアプリケーションへの対応を図るためである。小規模企業はセキュリティ関連サービスに,より多くの投資を行うようになる。
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