米Yankee Groupが米国時間8月9日に,「中南米地域でモバイル・サービスの利用が広がっている。無線キャリア間の競争が激化していることから,ユーザー1人当たりの売り上げを押し下げている」との調査結果を発表した。

  同社によれば,現在,同地域でのモバイル・ユーザーはおよそ6000万人で,そのうち2300万人はブラジル,1400万人はメキシコで,この2カ国に集中している。そして,ブラジルには無線キャリアが20社,メキシコには9社存在し,シェア争いが激化している。

 Yankee社によれば,同地域では料金が割安のプリペイド・サービスを利用するユーザーが増えているという。無線キャリアは売り上げの減少分を補うために,ユーザーにサービスの利用拡大を促し,新たな収入源を確保する必要に迫られていると指摘する。

 こうしたなかで,新たにパケット・ベースのデータ通信サービスを始める事業者が増えている。Yankee社は,無線キャリアがデータ通信サービスで利益を上げるためのカギとして,「ネットワーク・プロバイダ,サービス・プロバイダ,アプリケーション/コンテンツ・プロバイダの3者が連携すること」を挙げている。

 「ユーザーにモバイル・データ・サービスの利便性や価値を実際に感じ取ってもらうことが重要となる。無線キャリアは消費者がどのようなサービスを望んでいるのかについて十分に理解し,使い勝手の高いアプリケーションやコンテンツのカスタマイズ機能などを提供する必要がある。幅広い需要にも対応できるよう,データ・マイニング・ツールを使ってユーザーの利用状況などを把握するとともに,多様なソリューションが次々と登場していることから,こうしたサプライヤ企業の管理も重要となってくる」(Yankee社アナリストのLuis Minoru Shibata氏)。

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