「インターネットでの取引は長期的に発展を続ける。ただし,短期的には現在の経済状況の影響を受ける」などとする調査結果を,米Jupiter Media Metrixが米国時間8月6日に発表した。

 インターネット・サービスへの消費者の引き続く需要,オンライン環境の向上,平均オンライン滞在時間の増加,企業におけるコスト低減意欲などが長期的な市場成長を支える要因とみる。

 現在市場を抑制している金融市場の流動性低下,資本およびマーケティング予算の削減といった要素は,オンライン広告,企業間電子商取引,企業間インフラ支出などの分野では和らぐ傾向にある。

 「多くのインターネット・ベンチャーが財政難に陥っているが,悲観的な風潮に惑わされず,長期的視野を保つことが重要だ。この先数カ月は多くの困難が待ち受けているが,ほとんどは短期的な問題だ」(Jupiter社副社長兼上級アナリストのDavid Card氏)。

 またJupiter社の調査によれば,消費者はドットコム企業の崩壊を気にとめていないようだという。ユニーク・ビジターの総数は2001年前半に13%以上増加した。さらに,オンライン販売サイトを訪れるビジターのうち商品購入を前提とした手続きに入る割合は,2000年1月の1/4以下から2001年1月には45%に拡大した。

 Jupiter社は,2005年におけるオンライン販売店の売上高を1040億ドルと予測する。昨年予測した数字と比べて12%低下したが,これは主にオンライン食料雑貨店の不振が要因という。また,企業の支出削減の影響を受けるオンライン出張手配サービス分野に関しても,2005年の売上高を昨年予測した330億ドルから250億ドルに下方修正した。

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