音声技術を手がけるベルギーL&H(Lernout & Hauspie)は現地時間7月3日に,100%子会社Mendez SAを米Lionbridge Technologiesに売却することで,両社が合意に達したことを明らかにした。Mendez社を2700万ドルの現金でLionbridge社に売却する。

 ちなみに米InfoWorld誌のインターネット版によると,L&H社は買収金額として1億6000万ドルを要求していたという。

 Mendez社は世界19カ国に事務所を持ち,企業や政府/自治体,研究機関向けに翻訳,ローカライズ,言語管理サービス,言語管理ソリューションを提供している。950人の正社員のほか5000人のコンサルタントを抱える。

 なおL&H社は現在,米国とベルギーで破産法の保護のもと営業しており,Lionbridge社との合意内容は両国の破産裁判所で承認される必要がある。これには裁判所の管理のもとMendez社を競売にかけ,第3者からの入札も受け付けなければならない。この過程を経たのちに,Lionbridge社(もしくは最高値で落札した第3者)との買収作業を2001年第3四半期中に完了する予定。

 Mendez社は「iTranslator」と呼ぶ機械翻訳技術を持つが,L&H社とLionbridge社の合意では,この技術を含む特定の翻訳技術を両社が共同で所有する。また正式な契約締結時に,L&H社が600万ドルを受け取ることも盛り込まれている。L&H社はこれを負債の返済に充てる。

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