米連邦高裁は,米Microsoftの米独占禁止法違反訴訟の控訴審で,2分割を命じた昨年6月の連邦地裁の判決を覆し,再審理を求める判決を下した。Microsoft社は今回の判決に対する声明を米国時間6月28日に発表した。

 「米連邦高裁は徹底的に訴訟の論点を絞り込み,我が社を覆っていた雲を取り払った。中心的論点は,すべての企業が顧客のために製品の革新と改善をおこなう能力を所有すべきであるという基本原則だ。この点において,米連邦高裁が一審をくつがえしたことを嬉しく思う」(Microsoft社)。

 また同社は「裁決の内容でいくぶん納得のいかない側面はあるにしろ,我が社は今後も日々激しい競争に直面し,成功を目指して製品の向上に取り組み続けなければならない」と付け加えた。

 さらに「我が社の顧客,株主,提携企業に対する最良の結末は,この訴訟の早期解決である」とコメントした。

 この訴訟は,昨年6月にワシントン連邦地裁がMicrosoft社に対して会社を2分割する是正命令を下したが,Microsoft社がこの判決を不服として連邦高裁に控訴したもの。昨年11月から意見書の提出が始まり,今年2月には口頭弁論が開かれた。連邦高裁の今回の判決は「連邦地裁の主張を一部認めるものの,是正命令を破棄する」というものだった。

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[www.microsoft.comに掲載の発表資料1]
[www.microsoft.comに掲載の発表資料2]