米Compaq Computerが米国時間6月18日に,Linuxへの対応に向けた六つの取り組みを明らかにした。LinuxとTru64の相互運用性と移植性の確保に向けた取り組み,米OracleのLinux研究施設への参加,オープンソース・コミュニティへの技術供与,ハンドヘルド機器向けのLinuxアプリケーションの開発促進などが含まれる。
「世界中で,企業向けLinuxソリューションへの顧客需要を満たす」(同社)。
概要は以下の通りである。
・パートナー企業と連携し,サーバー「ProLiant」プラットフォームで「Beowulf」クラスタ・ソリューションを提供する。AlphaServerで培ったクラスタ技術の経験を生かす。これにより,例えば石油,ガス,航空宇宙,金融,バイオ・テクノロジといった産業分野で求められるスーパーコンピューター並みの性能を提供する。提供するクラスタのノード(サーバ)数は16~512である。
・Oracle社と連携し,企業向けLinuxソリューションの開発を促進する。Oracle社のLinux Labに参加し,カーネル開発や性能の最適化で協力体制を敷く。
・LinuxとTru64の相互運用性/移植性確保に向けた取り組み 「Affinity Program」を始める。ProLiantやAlphaServe,Tru64 UNIXとLinuxを組合わせた環境の実装を手助けする。
・Compaq社のクラスタ技術「SSI(Single System Image)」をオープンソース化しLinuxコミュニティに提供する。これを通じてサーバーのクラスタをより扱いやすくする。カーネル間通信のサブシステムなどSSIのインフラ部分から始め,最終的にSSIのすべてを提供するという。
・Linux向けの技術認定プログラム「Linux Accreditation Program」を始める。同社「Compaq Accredited Professionals Program(CAPP)」に LinuxのSEプログラム「Accredited Systems Engineer(ASE)」を加える。
・Compaq社の「iPAQ」などのハンドヘルド機器に向けたLinuxアプリケーションの開発促進を狙い,開発者コンテストを開催する。
・企業向けLinuxソリューションの提供とサポートを行う。ハンドヘルド機器からワークステーション,サーバーと広範な製品でLinuxに対応する。Linuxの主要ディストリビューションをこれら各製品プラットフォームで保証するほか,全世界の同社コール・センターで24時間体制のサポートを行う。
Linuxに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「Linux」で詳しくお読みいただけます。
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