米AMR Researchは米国時間2月20日,既存のEDI(Electronic Data Interchange)調達システムなど独自仕様による取引市場(PTX:Private Trading Exchange)に関する調査結果を発表した。

 調査結果によると,PTX市場での取引高は5兆7000億ドルとなり,公開の取引市場やコンソーシアム型取引市場を上まわる。このPTXシステムの構築に必要となる関連製品市場の2005年までの年間平均成長率は68%で,市場規模は350億ドルまで膨らむ見込み。PTX関連商品のマーケットは情報システムを提供するベンダーにとっては注目すべき市場になるという。

 「電子商取引の発展とともに生じるさまざまな変化から自社のシステムを保護しつつ,電子商取引を利用すること。このためにPTXが最も効果的な手法」(AMR Research社 Research Operations部門上級副社長のJohn Bermudez氏)。

 Fortune 500企業は5000万~1億ドルをPTXの構築に費やすとみる。小規模企業はPTXのキャパシティを大規模企業から借りるようになる。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

  • PTXはe-businessのハブとして機能する:PTXは企業間電子商取引(BtoB)の基盤を提供し,企業同士のコラボレーションを促進し,取引関係を効率化する。
  • PTXがネットワーク化の需要を喚起:独自の企業間電子商取引(BtoB)をすでに確立している企業でもまだPTXが必要になる。今後は少数の大手サービス事業者が中心となってPTXシステムを形成するだろう。そしてこうした動きが事実上の業界標準規格を確立し,アプリケーション開発者や企業間連携向けミドルウエア製品などを提供するベンダーの製品開発を促進させる。

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