米Boston Consulting Group (BCG)が米国時間9月6日に,米国の企業間電子商取引(B2B)市場に関する市場予測結果を発表した。この予測は,商品/資材の提供者や購買側となる事業者,およびネット取引市場(e-marketplace)の運営会社など,合計260社以上を対象にしたアンケートとインタビューをベースとしたもの。

 BCGの予測によれば,B2B市場は2000年に1兆2000億ドル規模,2004年には4兆8000億ドル規模に成長する見込み。

 ただし,いわゆるオークション機能の導入はまだしばらくは進まない。B2B自体は企業の資材調達業務のオンライン化などで急速な成長を続けるものの,オンライン上での価格交渉やコラボレーションといった機能はあまり使われない見込みだ。

 「2004年には,オンラインによる購買が企業の資材/商品調達全体の40%を占めるようになる。しかし,オンライン上で価格交渉などをともなう購買は,全体の11%にすぎない」(BCG社副社長のAndy Blackburn氏)という。

 「少なくともここ数年間は,ネット取引市場が,商品/資材の供給企業と購買企業がすでに確立している既存の伝統的な関係を崩壊させるほどの影響はもたらさない場合が多いだろう」(BCG社副社長のJim Andrew氏)。同氏によれば,今回の調査に協力した企業の大半が「オフラインでのコミュニケーションが多くの取引を成立させるために必要」と回答。こうした結果をベースに考えると,商品/資材供給企業が購買側の企業に対して営業員を派遣するのは今後も同じ。購買側の企業も,商品/資材を供給する企業に対して営業員の派遣などによる直接のコンタクトを要求しつづけるという。

 ネット取引市場がもう少し成熟して価格の比較などが容易になれば,売り手は買い手のプレッシャーを感じるようになるかもしれない。現在はこうした買い手からのプレッシャーを感じている売り手の企業は全体のほんの25%程度だが,将来プレッシャーを感じるかも知れないと恐れている企業は50%もいたという。

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