米Microsoftが米国時間2月12日に,「Microsoft Outlook」の情報をモバイル端末向けに選別/管理するソフトウエア「Microsoft Outlook Mobile Manager」のベータ版の提供を始めたことを明らかにした。

 WWWサイト(http://www.microsoft.com/office/outlook/mobile/download.htm)から無償でダウンロードできる。

 「Outlook Mobile Manager」には,Microsoft社の研究開発部門Microsoft Research(MSR)が開発したAI技術を組み込んだ。ユーザーの利用特性に応じて,モバイル端末へ通知する情報を自動的に選り分ける機能を備える。電子メールやスケジュール帳,アドレス帳,タスクなどの情報管理に使える。

 Microsoft Outlook Mobile Managerの機能の概要は以下の通り。

・自動プロファイリング機能および優先ルール機能(Automated Profiling and Prioritizing):AI技術で,受信メールの「緊急度」「重要度」の決定ルールを定義する。自動解析技術によってメッセージの重要度を判断し,優先ルールに応じてモバイル端末に転送する。

・メッセージ文の自動短縮機能(Intellishrink):自然言語処理技術によって,メッセージの句読点やスペース,母音の除去や略語表現への変換などを行う。モバイル端末では一度に受信できるデータ容量が制限されているので,メッセージの内容を損ねずに文字数のみ短縮する。「不必要な文字を省くことで,メッセージの容量を30%程度に小さくすることができる」(Microsoft社)。

 「Outlook Mobile Manager」はスタンドアロンのパソコンで使えるほか,モバイル機器向けのサーバー・ソフト「Mobile Information 2001 Server」と連携するクライアント用ソフトとしての機能も備える。「Mobile Information 2001 Server」はモバイル機器にリアルタイムのデータ・サービスを提供する。サーバー製品系列「.NET Enterprise Server」の新製品で,Microsoft社はこれをモバイル戦略の中核と位置づけている。

 製品版のリリースは2001年前半を予定している。「Mobile Information 2001 Server」と「Outlook Mobile Manager」,および「Exchange Server」向けアクセス用ソフト「Outlook Mobile Access」の3製品を同時にリリースする。

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