米Microsoftが,Windows CEに関わる半導体ベンダーを集めた業界団体を結成した。「Windows Embedded Strategic Silicon Alliance (WESSA)」と呼ぶ。次期Windows CE(開発コード名:Talisker)への支持を促す目的がある。

 ラスベガスで開催中の組み込み向けWindows開発者会議「Microsoft Windows Embedded Developers Conference (DevCon)」で同社が米国時間2月6日に発表したもの。

 Microsoft社とLSIベンダーはWESSAで,マイクロプロセサやマイクロコントローラのアーキテクチャにTaliskerを最適化するために協力体制を敷く。Microsoft社はWESSAを通じてTaliskerのソース・コードを公開したり共同開発などに取り組む。

 「OEMが最新のマイクロプロセサ技術を生かしてWindows CEベースの高性能機器を開発できるようにする」(Microsoft社)。

 WESSAに参加するメンバー企業には以下がある。英ARM,米Agere Systems (もと米Lucent TechnologiesのMicroelectronics Group),Alchemy Semiconductor社,米Cirrus Logic,日立製作所,韓国Hyundai Electronics,米Intel,LinkUp Systems社,米MIPS Technologies,米National Semiconductor,NEC,オランダPhilips Semiconductors,韓国Samsung Semiconductor,仏伊合弁のSTMicroelectronics,米Texas Instruments,東芝。

 同時にMicorosoft社は二つのベンダー・プログラムについても明らかにした。OEMが迅速かつ容易にWindows CEを評価できるようにし,Windowsベースの組み込み機器の市場投入を加速するのが目的。

 一つは,各種BSP(board support package)の提供。今春にも同社のWWWサイトでダウンロードによる提供を始める予定である。BSPはコンフィギュレーションとテスト済みのソフトウエア・パッケージで,ハードウエア参照プラットフォームとともにこのBSPを利用することで,OEMによる組み込み機器の設計を迅速化でき,機器の市場投入にかかる期間を短縮させる。これらBSPは米AMD,ARM社,日立,Intel社,MIPS Technologies社,National Semiconductor社,NECのアーキテクチャをベースとする。

 二つ目は,半導体ベンダーが,Windows CE 3.0開発者ツールの「Platform Builder 3.0」の評価版とWindows CE 3.0のランタイム・ライセンスを製品にバンドルしてOEMに提供するプログラム。National Semiconductor社がこの2月にもGeodeプロセサ向けに,日立が4月にSuperHプロセサ向けに,これらプログラムを利用する予定。

 Microsoft社では今後,ARM社やIntel社,MIPS社,NEC,独立系ハードウエア・ベンダーと同様のプログラムを進めていくとしている。

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