(2000.11.30,Mark Hachman=TechWeb News http://www.techweb.com/news/)

 消費者向け低価格パソコンで知られる米eMachinesが米国時間11月30日に,スタイリッシュなデザインのデスクトップ機やノート・パソコンなどの新製品を発表した。中小企業市場へのシフトを鮮明にした。米eMachineの企業向けPC

 興味深いことに,Machines社の製品発表は,まさに米Gatewayの業績下方修正の翌日というタイミングだった。ちなみに同社の株価は,11月の初めから1ドルを割り込み,急落の一途をたどっている。

 米PC Dataの調査報告よれば,米国のパソコン市場におけるeMachines社のシェアは2000年第1四半期の16%から第3四半期には9%程度にまで落ち込んでいる。同社のアナリストであるStephen Baker氏は,「米Hewlett-Packardや米Compaq Computerが値ごろ感のある製品を投入し,価格戦争になったことが影響した」と分析する。

 eMachines社は,得意分野のエントリー機に専念することをやめ,新製品として企業向けデスクトップ機の「eTower」と「eMonster」などを2001年1月に投入するとの発表を行った。この新製品に関し,Baker氏は「eMachines社は,上級市場へのシフトを図っているものの,『eMonster』の出来はいいとは言い難い」とコメントする。

 製品仕様をみると「eTower 700net」は,700MHz動作の「Celeronプロセサ」と「810」チップセットを搭載し,主記憶は64Mバイト。「eMonster 800net」は,800MHz動作の「Pentium III」を搭載しているほかは,「eTower 700net」とほぼ同様の仕様。OSは両製品ともにWindows 2000 Professional(なお,製品発表のリリースで,「eTower」と「eMonter」のデスクトップ機については価格を明らかにしていない)。

 「信頼性や管理機能などの面で,どのように満足させていくのか」という質問に対し,eMachines社の社長兼CEO,Stephen Dukker氏は次のように説明した。「eTowerの製造はHP社のパソコンの組み立てを行っている米Trigem Computerに委託したことで,信用力が高まる」(Dukker氏)。

 Dukker氏は,「当社は信頼性の面で,Compaq社や東芝,ソニーを上回っているとの調査結果もある」と付け加えた。

 しかしBaker氏は,「小企業は,信頼性の要求については最小限度のレベルにとどめ,あくまで価格を重視して購買を行う傾向が強い」と説明し,信頼性を重視していないとの見方を示した。

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[eMachines社の製品発表資料1]
[eMachines社の製品発表資料2]
[eMachines社の製品発表資料3]

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