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 PwCコンサルティングは次世代移動サービス「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の市場規模が2030年に米欧中の3地域合計で1兆3600億ドル(約150兆円)に達するとの予測を発表した。2030年時点でMaaSは世界の自動車産業における売り上げの22%、利益の30%を占めるようになると見込む。

 PwCグループの戦略コンサルティング部門が「デジタル自動車レポート2018」を公表した。有人運転車や自動運転車のシェアリングサービスを含む自動車ベースのMaaSの市場は、2017年に米欧中の3地域合計で870億ドル(約10兆円)だった。2030年にかけて年平均25%伸び、米国は2500億ドル、欧州は4510億ドル、中国は6560億ドルに増えると見込む。中国のMaaS市場は2017年比で40倍以上と最も伸び率が大きい見通しだ。

 自動車ベースのMaaSは世界の自動車産業の売り上げや利益の中で大きな比率を占めるようになるとPwCグループは予想する。売り上げにMaaSが占める比率は2017年に約2%だったが2030年には22%に拡大する。利益面ではMaaSは2017年にほとんど貢献していなかったが、2030年には30%を占めると見込む。

 その分、自動車の製造・販売が自動車産業の売り上げや利益に占める割合は減少する。完成車の販売とアフターサービス、そして自動車部品メーカーが占める割合の合計を見ると、2030年に売り上げの56%、利益の41%に縮む。2017年に比べて売り上げに占める割合は19ポイント、利益に占める割合は30ポイント減る見通しだ。