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 帝国データバンクが全国の企業を対象に実施した調査では、63.1%の企業が働き方改革に前向きだった。社員の働きがいの向上を狙って取り組む企業が多い。一方で17.7%の企業は働き方改革に後ろ向きで、必要性を感じないと指摘する企業が多かった。

 2018年8月に2万3099社を対象に調査し、9918社から回答を得た。働き方改革への取り組み状況について聞いたところ、「取り組んでいる」が37.5%、「現在は取り組んでいないが今後取り組む予定」が25.6%と、前向きに捉える企業が6割を超えた。その一方で2.6%は「以前取り組んでいたが現在は取り組んでいない」、15.1%は「取り組む予定はない」と否定的だった。

 改革に取り組んでいる企業と今後取り組む予定の企業に最も重視する目的を聞いたところ「従業員のモチベーション向上」と回答した企業が25.6%と最多だった。以下、「人材の定着」(19.8%)、「生産性向上」(15.9%)、「従業員の心身の健康」(15.4%)が続いた。コストの削減やコンプライアンスへの対応といった目的よりも、社員がやりがいを持って継続的に働ける環境に変えたいという意識が目立つ。

 以前取り組んでいたが現在は取り組んでいない企業と取り組む予定がない企業に理由を複数回答で聞いたところ、必要性や効果に疑問を持つ企業が多かった。「必要性を感じない」を選んだ企業が37.6%、「効果を期待できない」が34.1%だった。このほか「人手不足や業務多忙のため手が回らない」を選んだ企業が29.4%だった。企業活動の課題となってきた人手不足が働き方改革の足かせにもなっている。