アイ・ティ・アールがまとめた国内ERP(統合基幹業務システム)の市場予測によると、大企業を中心に基幹システムへの投資が進むうえ、2022年度にはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)がERP市場の約半数に達する見通し。2017年度の売上金額は884億円、前年度比9.3%増となった。
ERPの提供形態別に分類すると、パッケージソフトウエアのシェアは年々減少してSaaSが急拡大した。パッケージソフトウエアもオンプレミスで運用する形態が減少し、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)による運用が急増した。特にAmazon Web Servicesによる運用比率が増え、Microsoft Azureなどが続くという。
2020年度にはIaaSでの運用がオンプレミスを上回り、2022年度にSaaSとIaaS運用のパッケージソフトがERP市場の約9割を占める見通しだ。
一方、MM総研が個人事業主を対象に調べた「クラウド会計ソフト」の利用状況では、会計ソフトを利用する個人事業主は32.5%で、うちインターネット経由で会計ソフトの機能を利用するクラウド会計ソフトの利用率が18.5%となった。前回2018年3月調査の14.7%から3.8ポイント増えた。個人事業主のクラウド利用も増加している。
クラウド会計ソフトのシェアは「弥生」が57.0%、次いで「マネーフォワード」が21.5%、「freee」が18.2%となり、上位3社で96.7%を占める。
ただ、個人事業主の半数以上は現在も手書きや表計算ソフトを利用している。今後は電子申告や電子帳簿保存などの行政手続きの電子化に対応した会計ソフト導入が増えそうだという。