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 IDC Japanは国内の働き方改革関連ICT市場を調べた。2016年の市場規模は1兆8210億円だった。2021年までの年平均成長率はICT全体が2.1%なのに対し、働き方改革関連ICT市場は7.9%と高く、2021年の市場規模は2兆6622億円に達すると予測する。

 同市場を詳しく見ると、特に伸びる分野は2つある。1つはWeb会議や電子メール、クライアント仮想化ソリューションなどの「ソフトウエア」分野。もう1つはシステム構築や運用、サポートに関わるITサービスとビジネスコンサルティングやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などのビジネスサービスを含む「ITサービス/ビジネスサービス」分野だ。前者は成長率が11.9%で2021年の予想市場規模は7030億円、後者はそれぞれ19.8%と5333億円である。

 ノートPCやタブレット、モバイルシンクライアント端末など「ハードウエア」分野は成長率が3.7%。市場の大きな割合を占めるものの、ノートPCの停滞などにより2020年に縮小に転じる。2021年の市場規模は1兆358億円を見込む。企業向けデータ通信などの「通信サービス」分野はそれぞれ2.6%、3900億円と予測する。

 同社は働き方改革を掛け声倒れにしないために克服すべき問題が3つあるとしている。「ソフトウエアの導入と活用が十分ではないこと」「企業文化が改革を阻む可能性があること」「企業の様々な規則や制度が柔軟な働き方に対応できないこと」である。「働き方改革の成功と持続には企業文化や人材、評価制度、勤務形態などにも目を向ける必要がある」と指摘する。