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 MM総研は国内クラウドサービス市場予測を発表した。2016年度の市場規模は前年度比38.5%増の1兆4003億円と急拡大した。クラウドのコストやスピードのメリットを得ようと既存システムからの移行が加速し、市場は今後も年平均20.6%のペースで成長。2018年度に2兆1289億円、2020年度は3兆2063億円と拡大し、2021年度は2016年度比2.6倍の3兆5713億円に達する見込みだ。

 種類別で見るとパブリッククラウドは2016年度に3883億円で前年度比40.9%増だった。特定の機能や関数をAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)やHTTP、モバイルアプリなどで呼び出し、実行環境をサーバーレスで利用できる「FaaS(ファンクション・アズ・ア・サービス)」の導入が2016年度から増え、同年度は76億円となった。パブリッククラウド全体の市場は今後年平均22.1%増で伸び続け、2021年度は2016年度比2.7倍の1兆556億円の予測だ。

 プライベートクラウドの市場規模は2016年度が前年度比37.3%増の1兆121億円。2021年度までの年平均成長率は20.0%で、2021年度には2016年度比2.5倍の2兆5157億円になりそうだ。

 クラウドのセキュリティに不安を覚えるユーザーの割合はこの2年で8~15ポイント低下し、1割強まで減っている。クラウド事業者のセキュリティ対応力の向上に加え、クラウド利用者の増加に伴い、正しい理解が進んだと同社は見ている。「自前でセキュリティ対策をするより、クラウド事業者に任せたほうが安心」というイメージに変わりつつある。