本連載は現在、「文化を変える」話の後に、「人材育成戦略リーダーシップ」という「戦略を変える」話へと舵を切ったところだ。しかし理屈の座学(あるいはこうやって連載記事を読むだけ)をどれだけ繰り返しても無用な頭でっかちを作るだけなので、今回は私が実施した演習の手順とその成果をお伝えしたい。

 この原型は経営者向けのリーダーシップ研修の最初に実施するもので、私の契約先企業の皆さんには全員受講してもらっている。それを宮古島の中学校で実施してみた。後ほど、経営者と中学生の違いも検証したい。

宮古島市立平良(たいら)中学校の3年生177人を体育館に集め、5人一組の35チームで演習してもらった
宮古島市立平良(たいら)中学校の3年生177人を体育館に集め、5人一組の35チームで演習してもらった
(撮影:Re:charge)
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なぜ宮古島で?

 2016年の夏過ぎに、知人であるタービン・インタラクティブの志水哲也社長から「宮古島オフィスがあるから、いつでも遊びにいらっしゃいな」と丁寧な社交辞令をもらった。それを鵜呑みにした私は、2017年の10月初旬に、宮古島へ1週間ほど遊びに行ってみた。

 あまり期待をしていなかったが「今まで観てきた沖縄の海はいったいなんだったのか!?」というくらい“宮古ブルー”には驚かされた。海の青さの次元が違うのだ。

 すっかり宮古島のとりこになった私は、島内観光の途中で見かけた長期滞在型マンションで、2018年4月から1カ月間の賃貸契約を済ませてきた。

 1カ月の宮古島生活と聞いて、「B2Bハッカーってずいぶんと暇なんだな」とか「フリーランサーが調子に乗って豪勢な無駄遣いを」とか思われたら心外である。ちゃんと27インチのiMacを持ち込んで、契約先企業とのリモートファシリテーション・トレーニングの実証実験に取り組んだ。東京と宮古島をつないで、数十人規模の3時間研修を何度も開催した。

 滞在中には志水社長の声がけで、宮古島への移住者との交流もあった。宮古島の発展のために東奔西走する皆さんの姿を見るうちに、1カ月もお世話になる宮古島に何か貢献できないかと思うに至った。

 そんな折に、宮古島市立教育研究所の田場秀樹所長と出会い、志水社長の無茶振りもあって、急転直下で中学校の特設授業を受け持つ機会に恵まれることになった。

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