前回は、失敗を恐れずに何度でも挑戦し、高速に失敗から学ぶことでしか成長を加速するすべはないため、経営者のあなたは「失敗させないように指導するのではなく、成功するまで勇気づけ、あなた自身が自らの失敗をオープンにして、失敗から何を学んだのかを語るべきだ」と締めくくった。それからあなたは、自身の行動様式をなにか一つでも変革できただろうか?
今回は「文化を変える5つの柱」の最終回である。いつまでも文化の話ばかりしているわけにはいかないので、ここでいったん区切りをつけ、そろそろ次のテーマへ移る準備をしたい。そもそも5つの柱とは数え上げるとキリがないので5つに絞ったものだが、文化を変える柱は実はまだまだたくさんあるので、折を見て記事にしていければと思う。
- 変革を邪魔するものは何か?
- 自らを破壊するリーダーシップ
- 共感するコミュニケーション
- 失敗から学び成長を加速する
- 顧客目線をインストールする←今回はコレ
なお、今回も前編と後編に分かれた長編になる。
あなたは売り手目線か、顧客目線か?
あなたが経営者なら、これまでの長い会社経験の中で、「お客様の立場に立って考えなさい」と言ったり言われたりしたことは何度かあるはずだ。まぁ、当たり前と言えば当たり前のことなのだが、製品を売る会社経験が長いと、「どうすればもっと売れるのだろうか?」と売り手目線で考えがちになる。自社の取引先である買い手(顧客)の目線になるというのは、それほど簡単ではないようだ。
マーケティングの成功事例としてよく引き合いに出されるものに、(B2Bではないが)某古本屋チェーンがキャッチフレーズをこれまでの業界の「買います」から「お売りください」へと変えたことがある。お客様に対して「あなたの古本を買ってあげる」とも読み取れる上から目線から、「あなたが読み終わった本をお売りください」とへりくだってお願いする真逆の目線を導入した。