動画共有サービスとして多くの人が利用するYouTubeだけでなく、NetflixやHuluといった動画サービスの普及によって、インターネットで動画を観ることが当たり前になってきました。米Cisco Systemsの調査では、2019年までに世界のインターネット・トラフィックの約8割を動画が占めると推測しています。

 文字情報から写真やグラフを使ったビジュアル情報、そして動画を使って短時間に多くの情報を届けるコミュニケーションは、BtoCと同様にBtoBの領域でも求められています。自社メディアの充実というテーマにより、動画コンテンツを企画立案しなくてはいけないと悩む担当者は多いのではないでしょうか。

 BtoBの動画コンテンツは、商品・サービスの理解を深めるプレゼンテーションという位置付けから逸脱することは難しいでしょう。商品コンセプトから自由な発想を許され、タレントの活用や派手な演出が可能なBtoCの動画広告とは一線を画しています。また、そもそも動画コンテンツをつくった経験者が社内に少ないのもBtoB企業の課題です。

 ソーシャルメディア・マーケティングでは“シェアされるため”というテーマで多くの動画コンテンツがつくられてきました。その中で分かったのは、動画コンテンツだから全てが面白く、話題にならなくては意味がないというのは誤解だということです。動画コンテンツのポジショニングを理解することで「面白い動画じゃなくても」コンテンツとしては十分し機能すると筆者は考えます。

 今回はソーシャルメディア・マーケティングから学ぶ、BtoB企業の動画コンテンツのつくり方について解説していきます。

ソーシャルメディア・マーケティングでの3タイプの動画

 動画コンテンツというと「とにかく話題になって、共有されないとはじまらない」というイメージがあるのではないでしょうか。確かにソーシャルメディア・マーケティングは共感を得ることでSNS利用者の共有という行為を期待したマーケティング活動です。

 しかしマーケティングである以上、商品・サービスを理解して、売り上げにつながらなくては意味がありません。「すごく面白い動画だった。でもなんの広告だった?」ということは許されないのです。

 ソーシャルメディア・マーケティングにおいて動画は図1の三つのタイプがあります。

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  1. バズ動画…いわゆるバイラル動画。話題化を最優先し、商品名やサービスコンセプトの認知のみに割り切った内容。売り上げに直接寄与することは少ない
  2. ファン動画…企業やブランドと顧客との継続的なコミュニケーションを目的とする。商品・サービスへの認知と一定の理解を前提とした内容。顧客育成フェーズで有効
  3. ハウトゥ動画…商品・サービスの理解を深めるための動画。獲得、アップセルやクロスセルを目的にした動画

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