極端な表現ですが「ITCにおいてグローバルで成功する」というのは、「北米で勝つ」というのと同義です。もちろん欧州や南米、アジアなど世界中がマーケットとなることは間違いありませんが、多くのサービスは北米での評価をベースとして広がることが非常に多いのです。
ICTの一つの領域であるデジタルマーケティングでも、世界をリードしているのはいまだに北米です。マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入が広まったのも、北米での高い評価によるところが大きいです。
ただし北米をはじめとする多くの国で、MAは“マーケティング活動=顧客との出会い・対話”のためのツールという認識なのに対して、日本ではその認識が異なっています。実際には、MAツールの導入そのものが目的化してしまっているケースが非常に多いのが現実です。
いろいろなところで語られていますが、MAツール導入のためのワークフロー検討と同等以上のリソースを、“誰とどうやって出会い、何を話すか”という、コンテンツの検討につぎ込む必要があります。にもかかわらず、コンテンツを軽視する企業が少なくありません。特にBtoB領域でそういった傾向が強いことは残念です。
コンテンツの軽視は、即ち集客の軽視であり、結果として獲得の可能性を狭めてしまいます。今回は潜在顧客を集めるためのコンテンツとソーシャルメディアの関係について解説していきます。
成功体験の否定としてのMA
BtoBではFACE to FACEの営業こそが絶対的なマーケティング活動となっています。MAツールを導入しようとしている企業でも、その価値観から脱け出せていません。
もちろん対面での営業活動は重要ですし、それを否定するつもりはありません。しかし「MAツールを導入しようと考えているのだが、商談会(イベント)と親和性が良いのはどこの(ツール)?」という問い合わせを受けたときに、筆者はこの会社は何を目的としてMAツールの導入を検討しているのかと首を傾げた記憶があります。