導入事例で写真が重要であることは本連載の第18回で述べました。写真はコンテンツの「つかみ」だからです。

 では事例制作で生計を立てている筆者が、写真の腕を磨くために日夜、猛練習を重ねているのかというと、そういうことはしていません。もちろん写真を良くするための活動はしています。ただそれは正確にいうと「練習」ではなく「工夫」なのです。本稿ではその「工夫」について説明します。

 「事例の写真撮影」というマイナーな題材ですが、多くの方が同じ悩みを抱えているはずです。「ラクに、しかし確実に、成果を出すための工夫」という意味で、広く仕事一般にも応用できると思います。

素人には効果が出にくい行動、「カメラの設定の研究、練習」

 筆者も一時期は、撮影技術の向上や設定の練習を重視していた時期がありました。カメラの教則本を買い込んだり、講習会に行ったりして、絞りや露出の理論も勉強しました。しかししばらく試行錯誤した後、これはムダだと思うようになりました。

 もちろん技術向上を否定しているわけではありませんが、何と言いますか、特に写真の才能もない素人の自分が少しぐらい頑張ったからといって、「良い事例写真」という成果にはつながらないと考えたのです。やるべきところは、そこではないなと思ったのです。

 事例の取材現場ではまずインタビューをして、それから、さあ写真撮影となります。撮影に使える時間は5~10分程度です。最初のころ筆者はその限られた時間の中で、露出だと絞りだのをにわか知識でガチャガチャ調整しようとしましたが、ほとんどの場合がうまくいきませんでした。何度か試した結果、「自分のマニュアル調整よりも、カメラのデフォルト設定の方がはるかに優秀」という結論に達しました。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。