IT製品の事例を書くときは、「導入効果」を詳しく書くことが重要といわれています。とはいえ導入効果と一概にいっても、それは製品が「デスクトップ用簡易ツール」など小規模アプリケーションなのか、「仮想サーバー」などインフラなのか、「生産管理システム」、「ERP」など大規模システムなのか、製品ジャンルごとに効果のあり方は異なります。

 しかし、そういったのでは「製品いろいろ、効果もいろいろ」で話が終わってしまいます。ここでもう一歩突っ込んで考えてみましょう。

 今回は、「IT製品の導入効果とは、つまり何なのか」を、製品の種別にとらわれず、普遍的に把握してみたいと思います。いったん根本原理を理解してしまえば、あなたの製品が何であろうとも、導入効果が迷わず記述できるので便利です。では始めましょう。

IT製品の導入効果は、究極のところ3点に集約できる

筆者はこれまで何百本もIT導入事例を作ってきました。その経験からいうと「IT製品の導入効果」は、最終的には次の3点に集約できると考えます。

タイプ1.「効率化・コスト削減
タイプ2.「属人性の低減
タイプ3.「基盤の確立

では一つずつ検証していきましょう。

タイプ1.「効率化・コスト削減」

 「効率化」とは「一定の成果を上げるための資源投入量が減ること」と定義できます。砕いていえば、「今までやっていたことが、より短時間、より少ない手間、より少ない人数でできるようになること」、つまり「ラクになる」ということです。

 なお経営資源の中では「お金」が特に重視されているので、お金の効率化には「コスト削減」という特別な名前が付いています。つまり「今までやっていたことが、より少ないお金でできるようになる」、もっと短くいえば「安くなる」ということです。

 IT製品による効率化とはすなわち、「今までも一応できていたことが、IT製品の導入により、今はもっとラクに、または安くできるようになった」ということです。

タイプ2.「属人性の低減」

 属人性の低減とは「人に属する要素を減らすこと」。つまり「以前は特定の人だけできてほかの人にはできなかった何かが、ITツールの導入により、誰でもできるようになった」ということです。

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