ブラックフライデー(11月第4木曜日の「感謝祭」翌日の金曜日)、そしてサイバーマンデー(ブラックフライデー直後の月曜日)が終わり、12月後半に差し掛かかると、米国では年末商戦を総括する報道や調査のリリースが始まる。2015年の年末商戦はEC、そしてモバイルへのシフトが例年にも増して顕著だったことは以前に解説した(関連記事:「売り上げの3分の1がモバイル経由に、米国年末商戦に見えた急展開」)。ひょっとしたら、ECの売り上げは、もう少し伸びしろがあったかもしれない。そういった内容を示唆する調査を、先日米StrongView社が発表した。
この調査によると、2015年年末商戦で販促目的にeメールを活用している企業で、それを「戦略的」に展開している企業は非常に少ないという。約40%の企業が「セグメンテーションとターゲティング」はしているものの、それ以外のアプローチに関してはほとんど取っていない。
例えば「メールの購読者に対して、より親和性の高いメッセージの配信を主要な戦略として実践している」と回答した企業は全体の38%にとどまった。そして開封時のパーソナライゼーションや、メールによるコンテンツのA/Bテストを実際に実施した企業は全体の21%にすぎなかった。
カゴ落ち率を低減させるためのカート放棄メール(ECサイトでカートに入れるところまでは操作したものの、購入には至らなかった人に送るメール)を実際に配信した企業も全体の23%という。全体的に見ると、「メール購読者をある程度のセグメントに分けて、それらに応じたメールを配信した」というアクションにとどまっている。
冒頭に「伸びしろがあった」と記したが、これはむしろ「パフォーマンスを向上させるためのアクションが何もできていなかった」と言い換えた方がよいかもしれない。7割の消費者は、自分にとって関係の無いメールが届くことに不満を感じている。このようにサイト側でパーソナライゼーションがしっかりとできていないということは、それだけそのサイトが商機を逃しているとも言えるだろう。