日本でも、近年徐々に注目する人が増えてきた“ブラックフライデー”。米国の感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日のことで、全米規模でセールが始まる、いわば年末商戦の開始日にあたる。
前々回にも伝えたが、2015年は先週金曜日(11月27日)がブラックフライデーだった。既にこのブラックフライデーでのEC市場の動きについて、ECの予測解析を手掛ける米Custora社が解説を発表している。
今年のブラックフライデーを一言で語るなら「モバイルECへの大きなシフト」となるだろう。Custora社の発表によると、今年のブラックフライデーでECの収益、売上件数、客単価のどれもが前年を上回った。特にECの収益が対前年比15.6%増となったことから、小売業界のECへのシフトが加速していると言えるだろう。
2015年のブラックフライデーは、実店舗の客足が例年よりも少ない傾向にあったことが、米国内でもあちこちで報道されていた。背景には、米国内の小売企業がこれまで店頭中心に展開していたセールを、一部ECでの展開に切り替え始めたことがある。
これまで小売企業は、ブラックフライデー当日に、店頭に目玉商品となるアイテムを限定数用意して集客を競っていた。それが今年は店頭での販売に先立つ形で、ECサイトで目玉商品を展開させる企業が増えた。結果的に店頭に(大行列を作って)集まる顧客が減っている。