時短テク習得の目的は、仕事を早く仕上げることだけではありません。自分の潜在能力を限界まで引き出すことも、目指してほしいと思っています。有効な方法の一つは、仕事に取り組むときに、少しだけハードルの高い目標設定をすることです。

 これは、どれだけ得意な仕事や単純作業をするにしても、できることばかり続けていては、脳内で喜びや意欲につながる神経伝達物質である「ドーパミン」が放出されなくなるからです。つまり少しハードルの高い目標を設けることで、時短テクが磨かれるだけでなく、達成したときの喜びも大きくなり、仕事にのめり込めるようになるのです。

 IT担当者で突発的なシステムの開発などの仕事が発生し、その対応に追われることがある人は多いため、得意な仕事や単純作業が早く仕上げられるようになるだけでも、精神的な余裕をもって対応できるようになるかと思います。もちろん重要な仕事に時間を回せるようにもなります。

 今回は、無理なく潜在能力を限界まで引き出す時短テクの習慣を身につけるための方法を、いくつか紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

まずは単純作業で10%の時短を達成する

 単純作業で時短を目指すメリットは、「目指そうと考えただけで時短につながること」だといっても過言ではありません。単純作業は、簡単・確実に仕上げることができるため、気を抜いて仕事していることも少なくありません。そのため、ちょっと時短を意識しただけでも、効果が出やすいのです。このことに気付いている人は結構いると思いますが、意識して実行している人は意外と少ないのではないでしょうか。

 さらに、「いつもより早く仕上げて、少しでも多くの時間を重要な仕事に使えるようにしよう」と強く意識することで、自分の潜在能力が引き出せるようになります。まずはいつもより10%の時短を目指してみてください。

 潜在能力を引き出すのなら、もっと時短を目指したほうが効果的なのではないか、と思う人も多いでしょうが、あまりにも時短を目指すことでミスや作業漏れが増えるようでは、本末転倒になってしまいます。「たった10%」と思えるかもしれませんが、普段から単純作業は早く仕上げるよう心がけている人なら、決して簡単な目標ではありません。

 10%時短の実現のための具体的な方法としては、まず単純作業にかかる時間を計ってみてください。例えばデータを100件入力する作業があったとしたら、その時間を計ってみるのです。100分かかったのなら、90分で仕上げることを目標にしてみてください。このペースを基準にして、50件なら45分、200件なら180分を目標にします。集中力がつくのはもちろん、達成が難しい場合は工夫して仕事をする習慣が付きます。

図1●愛用しているデジタルタイマー(アラーム・バイブ対応)。デジタルタイマーがあれば、時短10%を目指す習慣が身につきやすい
図1●愛用しているデジタルタイマー(アラーム・バイブ対応)。デジタルタイマーがあれば、時短10%を目指す習慣が身につきやすい
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 10%の時短を達成できたら、さらに短時間で仕上げることができないかチャレンジしてみるとよいでしょう。ただし、さらに10%の時短を目指す必要はありません。5%時短に設定するなど、ミスやモレにつながらないギリギリの目標を立ててみます。そして、時短の限界点がわかれば、それ以上の時短を目指す必要はありません。常にその限界点のペースで作業を行えばよいのです。

 筆者は、時短のためにデジタルタイマーを愛用しています(図1)。このデジタルタイマーは、設定しておいた時間が経過するとアラームが鳴ります。バイブによるアラームにも対応しており、静かにする必要のある場所でも使えます。こうしたグッズを活用すると、時短10%を目指す習慣が身に付きやすくなります。

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