マーケティング策を継続的に実行して成果を上げている会社とそうでない会社の明確な違いはたったひとつしかありません。それは、「目的とする成果を達成するためのプランを事前に設計して実行しているかどうか」にあります。このことは、本連載の「第1回 あなたのマーケティングがホットな案件を作れない本当の理由」で解説しました。
展示会にセミナーにホームページ…と、のべつ幕なしの販促活動で時間を浪費してしまい、結局、投資した金額の割に成果が上がらないという経験をされた読者も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。そうならないためにも、目的達成のための具体的なマーケティングプランを事前に設計することに、もっと時間をかけるべきなのです。
筆者のクライアントに、従業員数が当初5人だったシステム開発会社があります。この会社は、最初に時間をかけてマーケティングプランを策定し、それを実行した結果、4年で売上高が5倍以上にまで成長しました。
では、成果を上げるための「良いマーケティングプラン」とはどのようなものでしょうか。
良いマーケティングプランの特徴とは?
実際に成果を生むための「良いマーケティングプラン」には、以下のような特徴があります。
(1)達成したい目標から逆算して設計されている
(2)目標到達までの過程が数字で語られている
(3)いつ、誰が、何をするかが明確である
(4)社内で共有して一丸となれる
(5)継続的にPDCAを回せる
まず、「(1)達成したい目標から逆算して設計されている」ですが、マーケティングとはあくまで、目的を達成するための手段です。「いろいろ販促活動をやって、蓋を開けてみたらこうだった」というのはマーケティングではありません。「目標から逆算して、それを何が何でも達成するための手段を設計していく」という、結果からの逆算発想が大切なのです。
次に、「(2)目標到達までの過程が数字で語られている」ですが、目標から逆算して、それを達成するための過程を事前に数字でシミュレーションするということです。これを行うために大切なのは、目標の数字を「細分化」することです。例えば、数カ月・数年に渡って継続的に実施するWebマーケティングのような販促活動の場合であれば、月ごとに求められる数字に細分化して設計します。
展示会など、個々の販促活動ごとに設計する場合であれば、目標の数字を実現する方程式を作ることです。つまり、「目標名刺獲得数=ブース呼び込み数×詳細説明誘導率×名刺獲得率」といった具合です。こうすることによって、漠然と数字を掲げるのではなく、「その数字を実現するために何をどれくらいやる必要があるのか」という具体的なイメージが湧いてくるようになります。「1日で展示ブースに300人を呼び込み、200人に詳細説明を行い、150人と名刺交換する」という風に、達成のために必要なことが具体的になってくるのです。