ここ数年、「ノマド」という言葉を見たり聞いたりしたことがある人は多いのではないでしょうか。ノマド(nomad)とは、直訳すると「遊牧民」のこと。それが転じて、職場以外の様々な場所で働く人をノマドワーカー、そうした働き方をノマドワーキング(略してノマド)と呼ぶようになりました。

 ノートPCやタブレット端末などのモバイル機器が比較的安価に入手できるようになり、かつ、高速なネットワーク回線(公衆無線LANを含む)を利用できる場所が増えたことも、ノマドの普及を後押ししています。会社のオフィス机に縛られないワークスタイルが自由でスマートに映ることから、若者を始めとしてノマドする人が増え、社会現象になりました。

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 そのノマドの定番場所として、喫茶店を挙げる人はかなり多いでしょう。ある調査では、90%以上の人がノマドする場所として、喫茶店を挙げたというデータがあるくらいです。

 ただ、仕事の効率を考えると、喫茶店が常にベストな選択肢ではありません。喫茶店以外にも、ノマドに最適な場所をいくつか知っておくべきです。

 今回は、ノマドする内容にピッタリあう最適な場所の選び方を紹介します。本コラムは、外出先で仕事をする機会が多い営業担当者などを念頭に執筆していますが、資格試験など勉強を含めたノマドの方法論についても提案していきます。

スピード優先ならファストフードで十分

 出先で短時間だけノマドをする場合、間違いを犯しやすいのが店選びです。例えば、取引先との重要な打ち合わせが終わり、その内容の整理をしておきたい場合、すぐに取りかかった方が良いのは言うまでもありません。時間が経つほど、記憶が薄れていくからです。目の前に落ち着いた喫茶店があればベストですが、今回のようなケースでは、店の環境の良し悪しよりも、取引先からできるだけ近い店を選ぶ方がベターです。たとえ、それが落ち着かないファストフード店だとしても、記憶が薄れていくよりはマシです。テーブルとイスさえあれば、どんな店でも構わないのです。

 当たり前と思う人もいるかもしれませんが、実行できていない人は結構います。その理由は、「すぐにノマドを始めた方が良いけど、少しは場所にこだわりたい」という気持ちが残っているからです。

 そのため、ファストフード店よりも低価格のコーヒーチェーン店のほうがいい。いや、どうせ寄るなら、おいしいコーヒーを飲ませてくれる喫茶店のほうが……といったように深みにはまってしまうのです。これでは、たった10分のノマドをする店を探すのに10分以上かかった、といったことになりかねません。良い店が見つからず、挙げ句にメモしたい内容を失念しまっては本末転倒です。

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