「革命を起こす」。
ワークスアプリケーションズの牧野正幸 最高経営責任者(CEO)は、2015年12月に提供開始する新たなERP製品「HUE(ヒュー)」についてこう意気込む。
HUEは、同社が1996年から販売しているERP「COMPANY」の後継製品。機械学習技術を使って利用者の作業を先読みし、0.1秒で応答することで「ユーザーの生産性を圧倒的に向上させる」(牧野CEO)。
HUEは従来のERPの常識を覆す「新世代」製品といえる(図1)。従来のERPは、会計や販売・調達、生産、人事といった企業に関わる情報の管理に主眼を置いていた。
子会社・関連会社を含むグループ経営を円滑に進めるうえで、これらの情報を正確に把握し、一元管理することが大切なのは言うまでもない。一方で、ERPに蓄積した情報の活用は必ずしも容易でなかった。億単位の導入コストを投じても効果が表れず、「金食い虫」と言われるケースもあった。
新世代ERPが目指すのは、管理に加えてビジネスへの直接的な寄与だ。ERPに蓄積したデータや、IoT(Internet of Things)で得たセンサーデータなどを生かし、経営層から現場の担当者までがデータを必要なときに参照・分析できるようにしたり、通常業務そのものの効率を高めたりすることを狙う。