PC直販スタイルで成長を遂げた米デル。2015年の米EMCの買収など、パソコンにとどまらないITソリューション全体をビジネス領域としている。デルでスモールビジネス事業を担当するフィル・ブライアント氏(グローバルコンシューマー&スモールビジネス事業担当 プレジデント兼ゼネラルマネージャー)に、中堅中小企業が直面するIT環境の変化とデルが提供するソリューションの方向性を聞いた。
クラウドの浸透でリモート化が進みセキュリティも変容
最近の中堅中小企業が直面している課題についてデルはどのような問題意識を持っているのか。ブライアント氏は「中堅中小企業のニーズそのものは昔とはそう大きく変わっていない。しかしクラウドを前提として使おうとする動きは顕著で、システム的には複雑化の一途をたどっている」と話す。
中堅中小企業でもクラウド導入が前提となったことで、システム構築は大きく様変わりしている。自社のネットワークと複数のクラウドをハイブリッドで使う必要に迫られ、自社にどう最適化するか頭を悩ませている。
ブライアント氏は「特に中堅中小企業には『リモートワーク』のニーズが高まっている」ことを挙げた。管理するデバイスの存在する場所が拡大し、「クラウドのエッジに置くデバイスも、モバイル性を考慮しなくてはならない」状況にあるのだ。
この結果、中堅中小企業が意識すべきセキュリティ上のポイントも変わってきた。「環境が複雑になるほどセキュリティも複雑になり、危険になる面も増える」(ブライアント氏)。
特に中堅中小企業は「データの扱いに神経を尖らせている」。かつては全てのデータを自社内に置く会社もあったが、最近はクラウドを含めてあちこちにデータが分散する状況が少なくない。
ブライアント氏は「データをしかるべき場所において保護をかけることを考えなくてはならない」と指摘する。特に「クラウドと自社」そして「自社とクラウド」という接続部分でセキュリティをどう担保するが重要になるという。
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