こんにちは、アクトゼロの山田です。多くの広告代理店やマーケティング会社がデジタルへの取り組みを加速し、さまざまなサービスをリリースしています。今回は、そうしたものの中で、個人的に気になったものを紹介し、そこで感じた大事なポイントについて述べてみたいと思います。

老舗が取り組む新サービス

 その気になったサービスと言うのは、老舗の大手広告代理店である株式会社オリコムがリリースした「居住者ジオターゲティング」というスマートフォン向けの広告サービスです。

 オムニチャネルやO2Oといったマーケティング戦略の中で、昨今、ジオターゲィングというキーワードがにわかに注目を浴びています。ジオターゲティングとは、特定のエリアにいるユーザーをセグメントできる仕組みといったところでしょうか。これまでのジオターゲティングは、スマートフォンのGPS情報や通信基地局など、「今いる」ユーザーに接触を図るのがメインでしたが、このサービスではそれをさらに一歩進め、“居住地”という括りでセグメントできるようになっており、大きな強みとして打ち出されています。

 これによって何が起きるかというと、個人商店、例えば駅前商店街にある地元密着型のお店などが、近隣住民の来店促進やリピーター獲得のためにインターネット広告を使えるようになったことを意味します。「通過する人」と「住んでいる人」を区別できることはこういったローカルビジネスを行う広告主にとっては、大きな効果を生み出す可能性を秘めていると言えます。

 このサービスが生まれた背景には、間違いなく新聞の購読者数の減少が挙げられるでしょう。一般社団法人日本新聞協会によると、2005年~2015年の10年で約15%も減少しています。そのため、折り込みチラシの分野に強みがある同社は、その新たな可能性をデジタル領域で模索した結果、今回のサービスが生まれることになったのではないかと考えられます。

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