バックアップ方法を組み合わせる

 RPO/RTOの要件が満たせるのであれば、外部機器へのバックアップだけで多くの場合は事足りる。しかしRPO/RTOが厳しい重要な業務システムの場合はそうはいかない。そのため、何か一つだけの方法で対処するのではなく複数の方法を組み合わせるケースが多い。ここでは一般的によく利用される、一次バックアップとしてクローン、二次バックアップとして外部機器へのバックアップを例に紹介しよう。

 仕組みは、まずストレージ内でバックアップ対象領域のクローンを取る。その後、クローンの領域から外部機器へデータをバックアップする(図2)。

図2 2段階バックアップの仕組み
図2 2段階バックアップの仕組み
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 軽微な障害の場合にはストレージ内に残るクローンからデータを迅速に復旧でき(短いRTOを実現)、ストレージ内の全データ消失などの重篤な場合は時間を掛けて1日前のデータを戻す運用となる。発生事象が軽い場合と重い場合に分けてRPO/RTOを定義する。

 このような仕組みは少し複雑ではあるが、一連の動作を制御するソフトウエア製品もある。さらにバックアップインフラを管理するバックアップソフトと連携させることで導入と運用が楽になる。これらの連携機能も合わせて検討したい。