BtoB企業が陥りがちな、見込み顧客管理における3つの間違い

 前回の記事で、見込み顧客のリストを整備し、接点を管理することがいかに重要であるかを述べました。しかし、多くのBtoB企業は、これまで何も手を打ってこなかったわけではありません。問題は、その方法にあったのです。

 以下では、見込み顧客の管理方法について、よくある3つの間違いをご紹介します。

間違い1.Excelで管理している

 展示会などでリードデータを集め、Excelで管理する手法はこれまで一般的に用いられてきました。下図のように、展示会やセミナーなど各施策ごとに個別のExcelファイルで管理しているケースが散見されます。こうした管理法だと、見込み顧客AさんがWebでどのようなページを閲覧したのかなど行動をトラッキングすることができません。また、リードデータを別のツールで解析して毎回Excelに入力し直すのも現実的ではありません。Excelで管理すると、常に最新のデータを共有することが難しいうえ、毎回人の手を介して編集を行っていたのでは、更新の頻度や情報量に自ずと制限がかかります。複数あるファイルを統合する際に、データ消失などの不備が起こる可能性もあります。

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間違い2.SFAで全件管理している

 SFAとはSales Force Automationの略であり、営業部門が顧客との接点を管理したり、商談の進捗を管理するためのもので、営業支援ツールとして優れた機能を発揮します。このツールをマーケティング部門でも活用して見込み顧客を管理できないかという声が聞かれるのですが、そもそも営業支援のためにつくられたツールであるため、一斉メール配信や問い合わせプラットフォームの作成など、マーケティング活動に必要なアプローチを仕掛けるための機能がついていません。また、集めた見込み顧客のデータをSFAにすべて入れてしまうと、営業担当もマーケ担当もフォローできなくなり、せっかく集めた見込み顧客リストを放棄してしまうことにもなりかねませんので、注意が必要です。このことについては、後ほど詳しく説明します。

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間違い3.メルマガ配信ツールでの管理

 メールマガジン配信ソフトは、マーケティング部門向けのアプリケーションとしては比較的早くから活用されており、さまざまなソフトが販売されています。これらを使って見込み顧客リストを管理しているという会社もあります。

 しかし、こうしたソフトでは、メール配信数や開封率、クリック率など、キャンペーンごとの数字は把握できも、見込み顧客Aさんがこれまでどのメール、どのページに対して反応を示しているのかという行動状況を把握することができません。

 BtoC向けのツールとしてはそれで十分な場合もあるのですが、一件の商談が長期に渡り、かつ、大きな金額になりうるBtoBマーケティングでは、一人の見込み顧客リストがより大きな意味を持ちます。このため、全件の情報を長期的に管理し、かつ、一人ひとりのオンライン・オフラインにおける接点を管理することが重要なのです。

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 こうした課題は、すでに肌感覚として多くのマーケティング担当者が感じていることだと思います。そんな状況の中、注目されつつあるキーワードがあります。「MA」、つまり「マーケティング オートメーション」です。

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