前回は、マーケティング部門から営業部門へどのように商談のパスをつないでいくべきか、という話をしました。本連載で紹介してきたように、見込み顧客を集めて商談に結びつけるまでには、「集客・選別・育成・商談」というプロセスに基づいてプランを設計し、マーケティングの効果を最大化させていくことが大切です。
では、その効果はどのように測ればよいのでしょうか?今回は、長期化するBtoBマーケティングの中でそれぞれの施策に対する費用対効果を見極め、PDCAサイクルを回して改善につなげていくための方法を紹介します。
マーケティングの費用対効果を測るのは難しい?
例えば製造部門は、原価率などのコストも時間あたりの生産性も全て数字で表すことが可能です。「カイゼン活動」と呼ばれる、ストップウォッチなどで各工程の時間を計りそこからムダを見つけ出して生産性アップへつなげていく活動が可能です。
その一方でマーケティング部門は、活動の効果が見えにくいと言われてきました。特にBtoBのマーケティング活動は、その傾向がより顕著です。
BtoBのマーケティング活動は、なぜ効果が見えにくいのか?
1.商談期間が長い
複数の人が意思決定に関わるBtoBは、購買プロセスや商流が複雑になる分、商談期間が長くなる傾向があります。商談・購入に至るまでの長い道のりで、何がどう作用して案件が生まれたのかを追跡するのは困難でした。近年、起案化までの期間はますます長期化しています。
2.ダイレクトに売り上げが上がりにくい
最終的には代理店を経由して販売されるケースが多いため、マーケティングの効果がどのように売り上げに影響を与えているのか、メーカーから因果関係が見えづらくなります。
3.営業が介在する
社内で、営業とマーケティングの担当者の情報連携が希薄になっているケースが多くあり、営業での成果や状況がマーケティング部門から見えづらくなっています。
4.マーケティング施策がつながっていない
連載第1回でも指摘しましたが、BtoB企業でマーケティングがバラバラに活動していることが多いため、見込み顧客一人ひとりがどの施策に接点を持っているのかを管理できていません。
このような理由から、BtoB企業のマーケティング部門は、自分たちの活動の効果を追跡・分析しにくい状況にあります。そんな中で、上司や経営層からはROI(費用対効果)を示せと言われてしまう。悩みや課題を抱えている方も、多いのではないでしょうか?。
しかし、これから紹介する方法を実践することで、ROIを可視化でき、その分析を基にマーケティング活動を最適化できます。