企業変革を進めるリーダーには、周囲を巻き込むスキルも求められる。なかでも経営トップからの信頼を得ることが肝要だろう。強い企業の改革者は、経営トップとどのようにして信頼関係を築いているのだろうか。

 日経BP社が2015年4月21日に開催した「日経ITイノベーターズ Executive Summit ZERO」では、「ITイノベーターの使命」に関する議論のなかで、社長との対話について様々な発言が飛び出し、大いに盛り上がった。前編に続き、参考になりそうな発言をピックアップして紹介しよう(日経ITイノベーターズ Executive Summit ZEROについてはこちらを参照)。

定例会議を待たない、朝一番の3分報告が大切

 「当社の社長は朝6時くらいには出社している。都合の悪い話を含め、早めに知らせておきたいことがあれば、週1回の定例会議を待たずに報告する。6時~6時半に社長室に直接出向いて、3~5分ぐらい話をする。こうした朝一番の報告を何回か繰り返すと、社長の思考が分かるようになる。(リーダーは)常に社長の考えを的確に捉えておくことが大切だが、その点でも朝一番の面談は効果的だ」(小売業・執行役員CIO)

 会議を待たないという発言については、直前に講演(前編後編)していたセコム元会長の木村昌平氏も深くうなずき、こんなエピソードを披露した。