米Hewlett-Packard(HP)は米国時間1月30日に,データ・センター向けのモジュラ型冷却システム「Modular Cooling System」を明らかにした。冷水を使用し,「標準的な冷却システムと比べ1サーバー・ラック当たりの冷却能力は3倍」(同社)という。

 データ・センターの電力管理は,IT部門にとって悩みの種だ。米IDCの調査によると,サーバー1000台を格納するデータ・センターの電力供給費用は年間約40万ドルにのぼる。HP社の新たな技術は,電力消費を大幅に引き下げることで,コストの節約と使用効率の向上を図る。同時に,「よりエネルギ消費の大きい将来のITシステムに備えることができる」(同社)。

 Modular Cooling Systemは,「10000 G2 Series」ラックに装着し,冷水を使って冷却した空気をラックの前面全体に送り込む。この方法により,一般的なサーバー・ラックの3倍の電力消費量に相当する最大30kWのサーバー・ラックを導入できる。また同社は,電力管理ツール「Power Distribution Unit Management Module」も発表した。ラックの電力配分装置を遠隔監視し,効率的な電力供給を実現する。

 Modular Cooling Systemの価格は3万500ドルから。10000 G2 Seriesは,42Uモデルが1249ドル,36Uモデルが1199ドル。Power Distribution Unit Management Moduleは199ドルから。いずれも2月6日に利用可能にする。

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