米Googleは,書籍本文検索プロジェクト「Google Print Library Project」の一環として,著作権を問われない書籍を「Google Print」(ベータ版)で検索および閲覧可能にしたことを米国時間11月3日に発表した。米南北戦争の歴史書や,政府関連の書類,ヘンリー・ジェームスの作品などが含まれる。
同プロジェクトは,世界の大規模図書館の蔵書をスキャンしてデジタル化し,インターネットで全文検索ができるデータベースを作成するというもの。スタンフォード大学,ハーバード大学,ミシガン大学,ニューヨーク公立図書館,オックスフォード大学などが参加している。これら大学や図書館との取り組みでは,主に著作権が消滅した作品,絶版本や希少本を対象にする。
ただし,これまでに作家団体のAuthors Guildや米国出版者協会(AAP:Association of American Publishers)が,同プロジェクトは著作権侵害に当たるとして訴訟を起こしている(関連記事)。同社は,さまざまな懸念に対処すべく8月に同プロジェクトを一時中断していたが,10月31日にプロジェクト再開を宣言。すでに出版社との提携に動いていることも明らかにした。
今回Google Printのインデックスに加えた書籍は,「著作権を保有しない,または著作権が消滅しているため,全文を検索および閲覧可能。各ページの画像をダウンロードすることもできる」(同社)。ちなみに著作権付き書籍の場合,Google Printの検索結果で閲覧できる範囲は検索キーワードを含む数行に制限される。
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[発表資料(Google社のプレス・リリース)]
[発表資料(Google社のブログ)]