技術系企業および非営利団体と学術機関が米国時間10月3日に,書籍のデジタル化に関するコンソーシアム「Open Content Alliance(OCA)」の結成を発表した。設立メンバーは,米Internet Archive,米Yahoo!,米Adobe Systems,オランダのEuropean Archive,米Hewlett-Packard(HP)のHP Labs,英National Archives,米O'Reilly Media,米Prelinger Archives,カリフォルニア大学,トロント大学など。「コンテンツへのオープンなアクセスを提供しつつ,著作権にも配慮する」(OCA)

 文化,歴史,技術に関する書籍のデジタル版をはじめ,図書館や出版社のマルチメディア・コンテンツなど,幅広い資料の提供に焦点を当てる。これらコンテンツは単一のレポジトリで管理し,最終的には,無償で検索やダウンロードを行えるようにする。

 当初OCAにコンテンツを提供するのは,カリフォルニア大学,トロント大学,National Archives,European Archive,O'Reilly Media社など。また,Adobe社,HP Labs,Yahoo!社などは,コンテンツの供与,オンライン投入およびアクセスといった技術面で支援する。場合によっては資金援助も行うという。Internet Archiveは,所蔵コレクションの中から資料を提供するほか,参加機関から供与されたコンテンツのデジタル化も担当する。

 OCAのWebサイトにおける検索エンジンは,Yahoo!社の技術を利用する。OCAの全コンテンツを同社検索サービス「Yahoo! Search」を通じて検索できるようにする。また,OCAサイトで利用可能となったコンテンツは,いずれの検索エンジンでもインデックスに加えることが可能。

 著作権付きのコンテンツについては,著作権保持者の承認を得たもののみをOCAサイトで利用可能とする。著作権保持者の希望によっては,「Creative Commons」ライセンスのもとで配信する。

◎関連記事
大学関連の出版活動団体,米Googleの書籍本文検索サービスに公開質問状
米Google,米英学術機関と蔵書のデジタル化で協力
米Amazon.comが短編文学のデジタル配信サービスを開始,1編49セント
米Amazon.com,書籍のオンデマンド印刷会社を買収
米Amazonの全文検索は“デジタル万引き”と同じ?
米Amazon.com,販売書籍を対象とした全文検索サービスを開始
米HPと米Time Warner,4000号を超えるTIME誌のオンライン・アーカイブ作成で提携
米議会図書館がWWW上のコンテンツを対象に巨大なアーカイブ作成に乗り出す

[発表資料へ]