米Microsoftのインターネット事業MSNは,デジタル化した書籍の検索サービス「MSN Book Search」のベータ版を2006年より提供する予定であることを,米国時間10月25日に発表した。

 MSNはまず,公有の書籍をデジタル化して検索対象として提供する。デジタル化に関しては,デジタル化した歴史的印刷物へのアクセスを提供する目的で設立された非営利団体米Internet Archiveの協力を得る。著作権保護された書籍については著作権保持者と交渉し,承認を得たもののみデジタル化する。

 MSN Book Searchでは手始めに書籍を中心にサービスを提供するが,将来的にはさまざまなオフライン・コンテンツを検索できるようにする予定である。

 またMSNは,書籍のデジタル化に関するコンソーシアム「Open Content Alliance(OCA)」に参加する意向を明らかにした。

 OCAは,文化,歴史,技術に関する書籍のデジタル版をはじめ,図書館や出版社のマルチメディア・コンテンツなど,各種資料を無償で検索/ダウンロードできるようにする狙いで結成された。Internet Archiveの他,米Yahoo!,米Hewlett-Packard,米Adobe Systems,オランダのEuropean Archive,英National Archives,カリフォルニア大学など,世界各国の技術系企業,非営利団体,学術機関などが参加している。

 米メディア(InfoWorld)によると,MSN Book Searchは米Googleの書籍本文検索プロジェクト「Print Library Project」に対抗するもの。同プロジェクトは,ハーバード大学やニューヨーク公立図書館などにある書籍をスキャンして,同社の検索サービスで検索できるようにすることを目的としている。しかし,著作権保護された書籍を許可なくデジタル化し配布するのは著作権侵害に当たるとして訴訟問題に巻き込まれている関連記事

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